なぜCoDは『おもしろくない作品』を作ってしまうのか-CoD:MWが目指した『リアルな戦争』が示すCoDのシステム-
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はじめに

ついにCoD:MWの製品版が販売された

CoDの有名実況者の中にも酷評する人が現れるなどベータ時点で既に荒れていたが、もうすでにTwitterはクソゲーという評価で溢れている

今回はタイトル通りなぜこのような結果になってしまったのか、私なりに考察したので書いていこうと思う

キャンペーンで感じた、『リアルな戦争』

まずは、まだ発売されて2日しか経っていないが、MWをプレイして感じたことを書いていく

タイトルにもなっている通り、今作を通してInfinity Wardが目指したのは、『リアルな戦争』だったと思う

これは開発陣のインタビューでも語られていたことではあるが、特にそれを感じたのはキャンペーンだ(ちょっとしたネタバレ注意)

何が正義で何が悪なのか

今までのCoDのキャンペーンでは、割とわかりやすく悪vs正義という構図でストーリーが進行していたと思う

それはそれでゲームとして爽快感があって楽しいわけだが、当然ながら、実際の戦争はそんなにシンプルなものではない

今作はその点をよく研究していた

資本主義vs共産主義のせめぎ合いに利用される貧困国、国を守る為暴力と恐怖で人々を支配しようとする者たち、暴力から市民を開放しようと自らも暴力を手にする人々など、それぞれの思惑が複雑に絡み合うという構図は、ここ最近の戦争をうまく描いていると感じた

敵キャラクターもただの悪人ではなく、愛する家族がいて自分の正義の元に行動する一人の人間として描写している

何が正義で何が悪かというのは、いつの時代の戦争でも語られるテーマだ

今までの作品に比べ、今作は戦争の本質的な部分に踏み込んでいる

戦争における『等身大の暴力』

暴力の見せ方もひと味違っていた

何の罪もない人々が利権の為に殺されていく光景や、泣き叫ぶ妻と子供の前で愛する夫をプレーヤーの手で殺していくシナリオなど、等身大の暴力をここまでわかりやすく目の前で見せつけられるCoD作品はなかったように思う

現実の戦争では、女性は売られ、男性は労働力として死ぬまで酷使され、子供は兵士として洗脳され、少しでも歯向かえば見せしめとして残虐な方法で殺される

これはフィクションや過去の話ではなく、今この瞬間も起こっていることだ

今作のキャンペーンは戦争のそういったリアルな側面に僅かでも踏み込もうとしたチャレンジングな一作だったと思う

個人的に細かいところを言うと、仲間の死への反応とか、敵を倒すときの演出があっさりしすぎとか、ゲームとしてのカタルシスという点はあまり気に入らなかった

ただ、ゲームでここまでしっかりと戦争について描写したことは評価したい

恵まれた国、日本

話はそれるが、こうやって度々『戦争のリアル』について考えると、我々が今生きているこの日本という国がどれだけ恵まれているか実感できる

我々は、今日生き延びるために何をすべきか必死に考えることも、自分の愛する人が 目の前で 暴行され殺される恐怖に怯えることもしなくていい

自分の未来は自分の意思で自由に決め、愛する人と安心して夜が明けるまで語らうこともできる

こんな国は世界で見ても未だ少数派だ

自分の環境に勝手に絶望し文句をいうのは楽な方法ではあるが、我々が相当に恵まれている環境にいることは実感すべきだし、それを謳歌していく義務が我々にはあると思う

ちなみに、ここ最近のリアルな戦争について考えたい方は、ドキュメンタリーとしてのリアルさと映画としての完成度が高いディカプリオ主演のブラッド・ダイヤモンドあたりを見るといい(Amazonプライム会員なら無料で見ることができる)※微グロ注意

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ネガティブな意見が多いマルチプレイでの『リアルな戦争』の追求

思ったより前置きが長くなってしまったが、今回の記事の本筋に入ろう

マルチプレイをしてみると、複雑で美しい町並みのマップ、リアルな銃声、超人ではない操作キャラ、大規模な戦闘モードなど、リアルな戦争路線はマルチプレイにも求めていることがわかる

一見リアルの追求はいいことのように思えるが、本作に対するネガティブな意見の原因はこの部分にある

端的にいうと、『色々な要因が組み合わさって、待ちが強いゲーム性になってしまっている』

待ちが強いこと自体はFPSでは普通のことだが、CoDというゲームのファンにとって、この性質がいかに嫌われるかは歴史上よくわかっているはずだ

待ちが強いゲームをやりたいならCoDはやらない

本筋からはずれるが、一応FPSの技術を解説するブログなので、待ちが強い理由を簡単に解説しようと思う

待ちが強い理由その① 操作性の悪さ

CoDといえば素早いジャンプでの飛び出しだとか、スライディング中の射撃だとか、そういった素早い操作性が人気の大きな要因だった

ライバルのBFはかなりもっさりしているので、その点で大きく差別化している

しかし、今作ではリアルさを追求してか、全体的にプレーヤーの動きがかなりもっさりしてしまっている

移動速度自体も、ADS中の移動も、ジャンプやスライディングなどすべての動作が遅い

素早い動きができないということは、待っている相手への奇襲が難しくなるということだ

今までのサクサクとしたスポーティなCoDを求めている人にとっては、非常にストレスがたまる仕様になっている

操作性の高さはBFと差別化できるポイントなのに、そこを自らなくしてしまったのは正直愚策だと思う

待ちが強い理由その② マップの複雑さ

まず、今作のマップは非常に作り込まれている

広大なマップの中に細部まで作り込まれた建物がたくさん並んでいて、グラフィックも美しく、マップへのお金のかけ方で言えば過去作でもトップクラスかもしれない

この辺も、リアルな戦争感を出すのに一役買っている

ただ当然ながら、CoDはFPSだ

決して街並みシミュレーターではない

マップが複雑になればなるほどクリアリングする箇所が増え前進が難しくなり、広いマップはゲームの展開自体を遅らせる

以下のインタビューでも分かる通り、運営はゲーム性よりリアルさを追求している

https://fpsjp.net/archives/337716/comment-page-2#comment-97277

待ちが強い理由その③ 体力の低さ

今作の体力は伝統的なCoDくらいの低めの設定だが、それ自体は問題ではない

体力が少ないゲームは待ちが強い反面、複数の敵を連続でなぎ倒せるというおもしろさがある

しかし、体力の少なさが複雑なマップと組み合わさると話が変わってくる

ただでさえ強い待ちが、絶対に抗えないレベルまで強化されてしまうのだ

前作のBO4は体力が多くマップが比較的単純な為、複数人でガンガン前進して各個撃破していくのが強いスタイルであったのが、体力が少なくマップが広大な本作では、それぞれが強いポジションでガン待ちするというスタイルが強くなっている

好みの問題といえばその通りなのだが、GHOSTでさんざん批判されたこのスタイルが受け入れられることは無いと思う

待ちが強い理由その④ 武器の反動と固定マウントシステム

基本的にCoDの武器の反動はあってないようなものなのだが、今作は過去作に比べると大きめの反動が設定されている

まあそれ自体は問題ないのだが、G以来の復活を果たした固定マウントシステムと組み合わさると問題になる

単純にリーンは待ちの際の被弾面積を減らせる為強いのだが、どうやら反動抑制とタフネス効果(被弾時の画面ブレの減少)があるらしい

これはもう間違いなく待ち有利を加速させる為に存在している

追記:足音がでかい

足音がめちゃんこでかいので、サーチはとにかく耳を澄ますゲームになっている

GHOSTを思い出すぜ

待ち有利システムのまとめ

待ち有利なシステム要素まとめ

①キャラクターの操作性

②マップの複雑さ

③体力の少なさ

④武器の反動と固定マウントシステム

⑤足音がでかい

MWではこのようにいろいろな要素が組み合わさった結果、非常に待ちが強いゲームに仕上がっている

当然これは現実の戦争でもそうなのだから、リアルな戦争の追求というインフィニティワードの願いは達成されたはずだ

だが、果たしてそれでよいのかというのが今回のお話

CoDというシステムが作り出すユーザー軽視のゲーム開発

ゲーム開発会社は何を目的としているか

それは当然、利潤の追求だ

どんなゲームも、基本的にはたくさん売りたいという欲求の元開発している

当然CoDもこれに当てはまる

だが、CoDシリーズは他のゲームとは少し性質が異なると私は考えている

その理由を述べていこう

売り切り型と課金型というビジネスモデル

最近のゲームを大別すると、売り切り型と課金型の2つのビジネスモデルがある

一回売ってしまえばそれっきりの一般的なゲームが売り切り型、スマホゲーなどの基本システムは無料でそこからゲーム内課金で収益を得ていくのが課金型だ

CoDにも課金要素はあるが、基本的には売り切り型に属する

https://automaton-media.com/articles/newsjp/20191018-104260/

あくまで傾向としてだが、課金型のゲームはユーザーの声に反応してゲームを作ることが多い

なぜなら、ユーザーが消えると資金を得る手段がなくなるからだ

だから、最近流行りのFortniteやApex Legendsなんかはアプデがかなり頻繁に行われる

それに対し売り切り型のゲームは、一度売ってしまえばそれでいいわけだから、その後の面倒をみるインセンティブは低くなる

課金型のゲームのほうがおもしろいとまでいうつもりはないが、「これはユーザーに愛される」という判断が無い限りGOは出ないわけで、その辺の信頼性は高いと私は考える

Fortniteなんかは当時おもしろいとされていた要素を組み合わせて、「絶対ユーザーに愛される」という自信を持って無料で出してきたわけで、FPS界に新しい風を持ち込んだといっていいだろう

一般的なシリーズ物の長期戦略

1,2,3などが出る一般的なシリーズものは、短期ではなく長期的視野も見据えたマーケティングが必要だ

たとえ今は利益がでなくても、今のゲームを楽しむユーザーを大切にすることで、将来的な顧客を増大させることができる

CoDも一見するとシリーズものだから同じでは? と思うかもしれないが、CoDは一般的なシリーズものとは大きく異なる

CoDの特殊な販売システム

Call of Dutyシリーズについて知らない人の為に解説すると、CoDというのは1年に1作という超ハイペースで販売されている

なぜそんなことが可能かというと、2つか3つの制作会社が代わる代わる作っているからだ

前作のBO4はTreyarchが、今作のMWはInfinity Ward というゲーム開発会社が製作している

ここがCoDという販売システムのうまいところだ

普通のゲームであればシリーズもので極端にゲーム性が変わることなどありえないが、CoDシリーズは毎年開発会社が違うから、1年に1回全くといっていいほど違うシステムのゲームが販売される

つまり、仮に一作前の作品が糞ゲーであったとしても、次の作品が神ゲーである可能性は十分にあるのだ

更にいうと、同じ会社であっても2年のブランクがあるわけだから、そこの中でもかなりシステムは変わる

つまり、CoDにおいての一作ごとの評価というのは、次のシリーズに影響しにくいのだ

CoD顧客の性質

更に顧客の性質を考えよう

FPSの顧客は基本的にコアなゲーマーである為、長期的な顧客になりやすい

どんなクソゲーでも、必ず予約して一度はプレイする

この点が売り切り型のCoDシステムと非常に相性がいい

更におもしろいのが、新規顧客の存在だ

CoDの新規顧客というのは、いかにクソゲーという評価であろうとわざわざ過去作から入ることなどしない

ほとんどの人は新作を選ぶのだ

CoDの販売システムが生み出したユーザー軽視のゲーム開発

開発側からの視点で考えてみると、売り切り型で一作ごとの評価が次回に繋がらないのであれば、別にユーザーに好まれるゲームを作る必要はなくなる

CoDというブランドがあれば、勝手にみんな買ってくれるからだ

https://www.famitsu.com/news/201910/25185584.html

となると、開発陣はどう思うか

「売れる製品ではなく、俺が作りたいものを作る」

というアーティスト的思考になってしまう

これが、CoDの開発陣が『10年の経験値の蓄積があるのにクソゲーを作ってしまう要因』だと思う

今までのCoDのデータを元にすれば、おもしろいとまでは言わずとも、少なくとも『絶対に外してはいけない要素』を抑えたゲームなんてのはいくらでも作れるはずなのに、あえて作らないのだ

今回のMWの開発陣の一連のインタビューを見ていると、「リアルな戦争という俺たちが描きたいものを作るんだ」という考えが全面に出ていることがわかる

はっきり言って、開発陣のオ○ニーゲームだと私は思った

とはいえそれは別に今回のMWだけではなく、大ヒットを飛ばしたCoD4のときからそうだったのだろう

それがたまたまヒットしシリーズ化したというだけだ

だから別に今作の開発陣が特段に悪いわけじゃない

ただ、今後もCoDの開発陣が同じ発想でゲームを作り続けるなら、どうなっていくかはわからない

皆さんはどう思うだろうか

最後に

さて、今回はMWを元にCoDというシステムに関して私が考えていることを述べた

注意してほしいのは、これは何のデータにも基づかないあくまで私個人の考えであるということだ

また色々書いたが、私は決してCoDが嫌いなわけではない

むしろ最も好きなFPSの一つであり、間違いなく人生で最もプレイしたゲームシリーズだ

これからCoDがどんな道を辿ろうと、PlayerではなくPrayerとして、私はこれからもCoDを買い続けるのだろう

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